2021年9月8日水曜日

 

令和3年5月20日

                校長室から 第11号 

若手教師のために その11 

教師に必要な力とは

 学校には、いろいろな先生がいて、その個性も様々です。「その10」では、教師に必要な「力」、力量のうち、「聴く力」について掘り下げてみました。

 今回は、「洞察力」と「承認力」です。

 学校では、よく「生徒の健康観察をお願いします。」と言われます。ここで言う観察とは、生徒の見た目や様子、顔色など、目に見える部分を細かく見て、健康状態を把握してくださいということです。これに対して、洞察とは、観察した事柄から、生徒の体調や気分など、目に見えない部分を見抜くことです。教師に必要な「洞察力」とは、観察しただけでは分からないものを直感的に見抜いて判断する能力です。

生徒の様子から、「嫌なことがあったのかな」「体調悪いのかな」など、その原因や心理状態に気付くことができるかどうかです。ベテランの先生の中には、生徒の声にならない声に耳を傾ける、また、生徒の背中を見て分かってしまう先生がいます。経験の浅い若手の先生がその域に達することは難しいとは思いますが、訓練しだいでは「洞察力」は磨くことができます。一つの訓練方法として、漫画のセリフの吹き出しを想像し、そこにどんなセリフが入るか考えてみることがあげられます。

教師に必要な「承認力」は、一番大切かもしれません。生徒に心の報酬を与えられるかどうか。承認には段階があります。

まず、最初にできることは、結果承認です。できたという結果を褒める。当たり前のことかもしれません。これができないと先生としては失格かもしれません。生徒にとっても結果を出しているのに褒められない、認められないとやる気は減退するでしょう。もちろん、もっと高い目標のため、褒めないこともありますが、それにはそれ相当の信頼関係がないとうまくいかないでしょう。

次は、プロセス承認。たとえ結果が出ていなくても、その過程を褒める。結果が失敗に終わっても、それまでの努力を認める。一番簡単な声掛けは、「よくがっばったね」「いつもありがとう」だと思います。

その次は、行動承認。例えば「毎日掃除をしてくれてありがとう」という声掛けです。きれいになってありがとうではなく、掃除という行為そのものをしていることを褒める。結果はともかく、行動を認められるとやる気がでます。ここまでは、多くの先生が実践していることです。

ここから先の承認は、できそうでできていないし、場合によっては、否定してしまったり、逆に叱ってしまったりしているかもしれません。特に学生時代、優秀だった先生は気を付けましょう。

次の段階の承認は、意識承認。まだ、行動していないが、行動しようという気持ちがあることを褒める。例えば「掃除をしようとしてくれてありがとう」。これを言われると、実行したくなります。

最後は、存在承認。この世に「いてくれてありがとう」。本来は、親や家族のセリフだと思いますが、困難な家庭の子供ほど、認められたいという欲求が強いものです。その生徒の存在そのものを褒める。これが日常的にできる先生は、プロ教師と言っていいでしょう。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿