令和3年5月12日
校長室から 第10号
学校には、いろいろな先生がいて、その個性も様々です。「その9」では、子供たちに慕われている先生は、どんな先生なのかを示したつもりです。
今回は教師に必要な「力」、力量について考察します。いわゆる授業力と指導力以外に教師に必要な力とは、どんな力でしょうか。次の3つが考えられます。
1 聴く力
2 洞察力
3 承認力
ここでは、聴く力について掘り下げてみましょう。聴く力とは、どんな力でしょうか。大切なのは、聞くではなく聴くということです。傾聴する力といってもいいですが、単に耳を傾けるというよりも、全身で聴くという感じ。子供からすれば、「今度の担任の先生は、本当に自分の話をよく聴いてくれるから、よかった。学校が楽しい。」という先生になりたいものです。私もそうでしたが、教えるのが仕事であるという思いから、相談に来た生徒や保護者に対して、その課題や悩みについて、ついつい解決策を述べてしまう。もちろん、解決すればそれに越したことはありませんが、悩みなどは、よく聴いてあげるだけで済んでしまうこともあります。また、たわいのない話であっても、その話に共感することで信頼が深まります。
М先生のもとには、しょっちゅう生徒が集まります。ある時、生徒がМ先生に自分のお気に入りの音楽グループのことを熱心に話していました。М先生との会話は弾んでいてとても楽しそうです。たまたまそばにいた私は、会話が終わった後、「М先生は、生徒が好きな音楽グループついて詳しいのですね。」と聞きました。すると、М先生は、「そのグループのことは全く知りません。生徒があまりにも熱心に話すものだから、つい、相槌を打ってしまっただけなんです。お陰でグループのことがよくわかり、私も少し興味をもちました。」と答えました。М先生のもとに生徒が集まる理由がよく分かりました。
教師に必要な聴く力とは、答えをもたずに聴くことができる力です。相手を受け止め、尊重する。受容の姿勢が大切です。М先生は、基本的に相手の話をしっかり受け止め、相手の気持ちを汲み取りながら聴くことのできる先生なのです。
カウンセリングマインドを身に付け、それを自然に実践できる教師になりたいものです。
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